初対面の人との雑談でお互いに探り合いになると、どちらからともなく「趣味はなんですか」といった質問が出てきます。
私は「趣味」と言われると「趣味とはどこまでを指すのだろうか…映画は好きだけれど趣味と言えるほど詳しくもないし…」などと考え込み、返答に困ってしまいます。
これは私がたまたま「趣味」という言葉に敏感に反応して深く考えてしまうから、という部分もあるかもしれません。(下記記事参照)
しかし、高橋秀実さんの『趣味は何ですか? 』にも書いてありましたが、男性は特に「趣味はなんですか」という質問が苦手で、パッと答えられない人は多いようです。
ちなみにこの本は「趣味がない」と気がついた筆者が古今東西の「趣味」を取材し、冷静にツッコミを入れつつ武士道の境地に到達する本(拡大解釈)で、なかなか面白いです。
私のように「趣味とは何か…」「趣味が欲しい…」と悩みがちな人、他人の趣味に共感が出来ない経験があった人は読んでみると良いかもしれません。
さて話が逸れましたが、いずれにしても「趣味はなんですか」という質問は定義が曖昧で答えづらく、そもそも雑談としてはNGな質問であるにも関わらず遭遇頻度はとても高いのです。
そこでこの記事には、この質問に対してどう答えればよいのか、ということについて、あくまで雑談の観点から書いていこうと思います。
就職活動や転職活動のための「趣味」とは考え方が異なるので、ご注意ください!
雑談で「趣味はなんですか」と聞かれて困った時の答え方
雑談の中で「趣味はなんですか」という質問は、困ったことに頻繁に登場します。
何故皆がその質問をしてしまうのか、ということを考えてみると、自ずと正しい答え方が分かってきます。
本当の趣味を真面目に話す必要はない
雑談で趣味について話す時のポイントは、「本当の趣味を真面目に話す必要はない」ということです。
趣味について聞かれているのだから一生懸命自分の趣味について教えなくては…!と必死に考える必要はないのです。
なぜなら、「趣味はなんですか?」という質問は、その質問を元になんらかの意思決定がなされるような重要な問いではなく、あくまで雑談の中の一フレーズに過ぎないからです。
質問をしてきた相手は何も本当にあなたの趣味を知り、理解しようとしているのではなく、その後に雑談を展開していく取っ掛かりを求めているだけなのです。
もしくは、雑談そのものは本題前のクッションでしかなく、内容については全く期待されていないこともしばしばです。
ですから、例えここで全くの嘘を答えたとしても、次に話が繋がっていけばそれで良いのです。
そもそも、本当の趣味の話をしてディープに語り合おうという間柄であれば、「趣味はなんですか」といった表面的な質問は飛び出ないはずです。
むしろそこで本格的な趣味を答え、マニアックな話をしてしまうと、相手の雑談力にもよりますがその時点で引かれてしまったり、ディープ過ぎて会話が続かなくなってしまう可能性すらあります。
「趣味はなんですか」と聞かれたときの具体的な答え方
それでは、「趣味はなんですか」という質問に対して、具体的にどのように答えれば良いのでしょうか?
あくまでこの質問が雑談の範疇であると考えると、
- 趣味とまでは言えないんですが…と断ってしまう
- 過去・現在・未来に分解して話す
この2つが効果的です。
①趣味とまでは言えないんですが…と断ってしまう
「趣味とまでは言えない」と断りを入れてしまうことで、自分自身の会話のハードルを下げることができます。
特に私を始めとした男性の方々は「趣味」というキーワードに過剰に反応して身構えてしまいがちですが、あえて「これは趣味というほどではない軽い興味の話だ」と割り切ってしまうことで自分に対して暗示をかけ、話しやすくなります。
また、質問をしてきた相手が、万が一あなたの「本当の趣味」を聞くつもりだった場合にも有効です。
雑談を続けるために「趣味はなんですか」という質問に適当に答えたとしても、予め断りを入れておけば、後で「あの時趣味だって言ったじゃないか!もう君の分もオーケストラのチケット取っちゃったよ!」といったようなすれ違いも起きづらくなるはずです。
②過去・現在・未来に分解して話す
「趣味」と言われるとどうしても昔からやっていて、今も頻繁に取り組んでいて、これからもやっていくもの、と考えてしまってハードルが高くなってしまいがちです。
つまり、過去・現在・未来を一貫したものと捉えてしまうことが問題なのです。
そこで、過去・現在・未来を別々のものとして捉えてから話してみると、とても答えやすくなります。
どういうことかといいますと、
過去:
「よくテニスをしていました」「高校のときはギターにハマっていました」
現在:
「先週、ボルダリングをしました」「昨日、『鬼滅の刃』の映画を観に行きました」
未来:
「今年はキックボクシングをやってみたいです」「油絵に興味があるんです」
といったように答えればよい、ということです。
過去から未来まで続くような「趣味」である必要はなく、どこか一時点での興味や好きだったもの、やってみたことなどで充分なのです。
こういった一般的に「趣味」とされるものでない内容を答えたとしても、「今はテニスしていないんですか?」とか、「どんな油絵を描きたいんですか?」とか、必ず会話のきっかけにはなるはずです。
まとめ
今回は、雑談としてはNG質問でありつつも頻繁に登場する「趣味はなんですか?」という質問に対する答え方について、書いてきました。
「趣味はなんですか」という質問は、あなたの「本当の趣味」を聞いているのではなく、あくまで会話のきっかけを探しているに過ぎません。
ですから真面目に自分の趣味とは何か…と考えて返答する必要はなく、
- 趣味とまでは言えないんですが…と断ってしまう
- 過去・現在・未来に分解して話す
という2つのテクニックを使えば、この質問を簡単に切り抜け、雑談を続けていくことができるのです。