はじめに
こんにちは!
以前の記事で,思考力を鍛える推理ゲーム「ウミガメのスープ」をご紹介しました。
今回は,「ウミガメのスープ」の当サイトオリジナル問題をご紹介したいと思います。
本記事は,このゲームの基本ルールを知っている方向けに書いています。
遊び方をご存知でない方は,まず下記の記事をご覧いただくようお願い致します!
問題
A氏はB氏からもらったから返すだけなのに,なんだか残念そうな様子だ。
一体,なぜ?
解答
ここから先はこの問題の解答,ネタバレになります!!
プレイヤーとしてこのゲームを楽しみたい人は決してこの先を読まず,ゲームマスターをやっても良いという人に代わりに読んでもらってください!
モヤモヤトレード(解答)
この物語の舞台は,とある高校。
AくんはBさんからバレンタインデーにチョコを渡された。
「これ,義理だけど!」
と言いつつの市販品チョコだったが,Aくんは普通に喜んでいた。
ホワイトデーには少し気の利いたお返しをしたいと思った。
ところが。
チョコをくれた翌日から,Bさんの「おねだり攻撃」が始まったのだ。
「Bくん,ホワイトデーのお返しに欲しいものなんだけど!GODIVAのチョコとハーゲンダッツのアイスと,それからそれから…」
「もちろん全部くれるよね?」と言わんばかりのBさんの態度にAくんはドン引き。
義理と宣言して渡した1個のチョコでここまでお返しを要求できるのは逆にすごい。
しかもクラスの噂によると,Bさんは他の男子数人にも同様のやり方でお返しを求めているとのことだった。
ホワイトデー当日,AくんはちょっとモヤモヤしながらもBちゃんのリクエスト通りのお菓子の数々を用意したのだった。
解説
いかがだったでしょうか。
当サイト初のオリジナル問題ということで,レベルは比較的簡単なものとしました。
最初のポイントとしては,「A氏とB氏」の関係性を明らかにする必要があるということです。
「くん」や「さん」ではなくあえて「氏」を使うことで,両者の関係を見えにくくしています。
今回も,良質な問いの例とその効果を示しておきます。
- A氏とB氏は両方とも男性か?
➡︎答えはNo。
この答えを受けて同様の質問を重ねることで2人の性別の組み合わせが明らかになる。年齢も同様に問えば,この2人の間でどのようなやり取りが発生し得るか,場面が想像しやすくなる - A氏はB氏からもらったものをそのまま返したのか?
➡︎答えはNo。
「もらったから返すだけなのに〜」というのはミスリードを誘う文で,実際は後日,別のものを返している。この「時間差」の情報を引き出せるかがカギの一つ。 - A氏がB氏が返したのは同じ種類のものか?
➡︎答えはYes。
ここから,「同じ種類のものとは具体的には何か」「同種類ではあっても交換するものの価値に差があったからA氏は不満だったのか」など,クリティカルな問いが派生する
おわりに
今回は新感覚推理ゲーム「ウミガメのスープ」の当サイトオリジナル問題をご紹介しました。
このゲームでは
- 良質な問いを立てる力
- 情報を引き出し整理する力
- 仮説を立てて真実に近づく力
など,推理力・思考力がかなり鍛えられます。(「水平思考」と呼ばれることもあります)
特に①の「良質な問いを立てる力」は,当サイト・リベラルアーツ研究所がこれからの時代に必須の思考スキルとして提唱している「立問力」に通じるものです。
このゲームはどんなメンバーでやってみても,かなり盛り上がります。
特別な道具も知識もいらず,ちょっと人が集まって時間のあるタイミングで楽しめる推理ゲームなので,是非一度遊んでみてください。
他の当サイトオリジナル問題を「クイズ」カテゴリに収録してありますので,そちらも是非ご覧ください!
カードゲーム
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