名言

今日の英語名言!(シャネル)

あなたは,「運命」をどのように考えていますか?

自分の力ではどうにもならないもの。逆らってはいけないもの。
そのように考えている方も多いのではないでしょうか?

今日ご紹介する名言の主,ココ・シャネル(1883-1971)は,正反対の考えの持ち主でした。
とてつもない理不尽な運命の流れの中にあって,それに逆らい続けたことで栄光を
勝ち取った人物です。

まずは,今日の名言をご紹介しましょう。

今日の英語名言


I grew strong by swimming upstream against the current.

ココ=シャネル

和訳すると,「私は流れに逆らって泳ぐことで強くなれた」となります。

注目すべき英語表現は,最初のgrow strongとその後のby swimmingです。
grow Cで「Cになる」,by doingで「〜することによって」ですね。
upstreamはswimmingにかかっている副詞で「上流に向かって/流れに逆らって」です。
これにダメ押しのagainst the current「流れに逆らって」が加わることで,激しい流れを
ものともせずに上流に向かって泳いでいく様子が強調されます。
currentは「流れ・気流・世間の潮流/風潮」といった意味です。

ココ・シャネルはファッションデザイナーとして頂点に上り詰め,誰もが知る世界的ファッションブランドの「シャネル」の創始者となった人物です。
結果だけを見ると,彼女が「華やかで人より遥かに恵まれた人生」を謳歌したように思えますが,彼女の生い立ちはなかなかに壮絶なものでした。

シャネルは1883年,フランスのとある田舎町に生まれました。
父親は特定の土地に根付かずあちこちの街に出かける行商人で,シャネル一家は経済的に困窮していました。
父親はあまり子供に関心がない人だったようで,息子2人と娘3人をもうけながら家にはあまり帰らない人だったため,子供たちは母親の女手一つでなんとか育てられました。
ところがシャネルが12歳のときにその母親が死去すると,父親は息子2人を農場送りにし,
娘3人を孤児院に預けてしまいます。

孤児院に預けられるとは言っても,実質的には父親に捨てられたようなもの。
シャネルは後年,ファッションデザイナーとして名声を確立してからも,孤児院の近くを
通りかかるだけで涙を流したと伝えられます。
貧しい出生からの母親の死,そして父親に愛してもらえず孤児院での生活を余儀なくされたことが彼女の幼少期の「逆流」だったわけです。

17歳になったシャネルは孤児院を出て,仕立て屋で働き始めました。
これが後にファッションデザイナーとして活躍するための土台となるわけですが,この時期に彼女は副業としてキャバレーの歌手としての仕事もこなしていました。

昼は仕立て屋,夜はキャバレーで身を粉にして働く日々。
そんな中で彼女が出会ったのは上流階級の騎士,エティエンヌ=バルサンでした。
シャネルを気に入ったバルサンは自らの立派な屋敷にシャネルを招き,生活の世話をします。

一転して働く必要もなくなり,あらゆる享楽に溺れる日々。
普通の人であれば「これで人生上がり」とばかりに一生をこの屋敷で過ごしてもおかしくなさそうですが,シャネルは違いました。
屋敷に出入りする上流階級の女性たちのファッションに目をつけたのです。

当時の上流階級の女性は,コルセットで胴を締め付け,溢れんばかりの装飾が施されたロングスカートや羽付き帽子を身に付けるのが常識でした。
そのため一人では自立や歩行も困難で,常に介助者が必要な状態だったと言います。
シャネルはこうした女性のファッションを「男を喜ばせるもの」と嫌悪し,シンプルなシルエットで着心地の良いデザインの服や帽子を次々に生み出し,屋敷に出入りする女性たちから大好評を得ました。

その後,シャネルはバルサンの援助を得てパリに帽子店を出店します。
さらに,バルサンの友人で実業家のボーイ=カペルという男性の支援を受けて帽子店をパリの大通りに移転し,さらに売り上げを伸ばしていきます。
シャネルはその後,第二次世界大戦中にはナチスの諜報活動に協力するなどしながらもビジネスを続け,ついにはファッションデザイナーとして世界にその名を轟かせます。
生涯にわたって結婚することも,子供を持つこともなかったシャネルですが,数多くの男性と浮名を流したことでも有名です。

シャネルと言えば,「女性の自立」「女性の男性支配からの解放」というイメージを持たれる方も多いと思います。
それはもちろんそうなのですが,このようにシャネルの経歴を追ってみると,必ずしも最初から自主自立で道を歩んできたわけではなかったことが分かります。
むしろ,要所要所で「勝馬に乗る」というか,男性からの支援を積極的に利用して最終的に自立を掴んだ人というのが正しいでしょう。

ここからは私の個人的な考察になりますが,シャネルの他の名言を見れば,シャネルは大変に独立心が強く,プライドも高い人であったことが分かります。
そんなシャネルにしてみれば立派な屋敷で覇気のない生活を送ることや,男性からの資金援助を受けて店を開店したことなどは,決して望ましいことではなかったはずです。
そう,こうした世間から見れば恵まれた機会にも,彼女からすれば「逆流」の面があったということです。

ポイント

一見恵まれた機会も,シャネルにとってはある意味では逆境と言える側面があった

しかし彼女は,そうした逆流に身を任せて流される人ではありませんでした。
自分が考える「新しい時代の自立した女性像」を,ファッションという手段を通して世界に発信し続けたのです。
そして今,彼女が生み出したファッションや香水は世界中の女性に愛されています。
彼女こそ,まさに逆流の中を泳ぎ続けて強くなり,世界を変えた女性の代表と言えるでしょう。
彼女の生き様は,たとえ逆境の中にいても自分にできることを考え続け,行動し続けることの大切さを教えてくれます。

それでは今日はこの辺りで。
最後までお読みいただき,ありがとうございました!!

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もりお
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猫と糖分を愛する経営コンサルタント