レポートの提出期限に迫られてこの記事に辿り着いたあなたは、大まかな流れまで飛んでください。
こんにちは、現役東大理系院生のサメの助です。
学部時代はレポートでコスパ良く単位取得することが得意でした。
さて、大学生の皆さんは、進級や卒業のために所定の単位を取ることが必要かと思いますが、その中でもレポート提出のみで単位を取得できる講義はいわゆる「楽単」の授業で、狙って受講している人も多いのではないでしょうか。
しかし、レポート提出の講義ばかりを取りすぎてしまったり、ついつい後回しにしてしまったりと、提出期限直前に焦ってしまうというのはよくあることです。
何を隠そう私自身もそういった大学生の1人でした。
ただ、私はレポートを締め切り直前に爆速で終わらせることが得意で、東大の優上・優・良・可・不可の評定の中の最高評価である「優上」を、わずか1.5時間のレポート執筆で取得したこともあります。
今回は、そんなレポート特化型のサメの助直伝の最速レポート執筆術をお伝えしようと思います。
現役東大生直伝!爆速レポート作成術
まず、私自身がどのような状況下でレポート爆速完成を成功させたのかをお話しします。
方法だけ知りたい方はここは飛ばして、大まかな流れから読んでください。
実録・レポート爆速錬成
私はその日、13:00頃に目が覚め、その瞬間に17:00手渡し提出締め切りのレポートの存在を思い出しました。
そのレポートは指定の本を読んで、その内容に関連してレポートを4000文字程度で書く、といったような内容でした。私はそもそもその本すら持っていなかったので、慌てて自宅周辺の図書館の蔵書や本屋の在庫を確認しましたが、どこにもありませんでした。大学のいくつかある図書館でもほとんど貸し出し中で、私と同じような状況の人達の存在を感じ取った瞬間でした。各学部の図書館の蔵書も確認したところ、1冊だけ貸し出し可能な図書館が見つかりましたが、そこは書籍の予約が不可能な図書館だったので、慌てて家を飛び出しました。
自宅から大学までは1時間ほどで、図書館に着く頃には既に15:00近くになっていました。提出まで2時間を切った焦りから妙なテンションになりつつも受付を済ませ、早速目的の本を探すことにしました。
本の番号は事前に控えてあったので、受付の間に考えた最短ルートで目的の書棚に辿り着き、いざ!となったその時、あるべきはずの場所に本がないことに気がつきました。前に借りた人が適切な位置に戻していない可能性も考え、冷静に周囲も調べましたが、やはり見つかりません。
ふと視線を横にそらすと、書棚の隙間から見える閲覧スペースで、本を片手に何やら必死にパソコンに文字を打ち込んでいる学生の姿が目に飛び込んできました。まさか、と思い書棚を離れ、学生の後ろから軽く覗き込んでみると、彼はまさに私の求めていた本を独占していました。しまった、と思うと同時に吹き出してきた冷や汗をそのままに、慌てて図書館を飛び出し生協書籍部で本を購入しました。
この時点で提出まで残り1時間45分でした。ギリギリの状況であるにも関わらず何故だか頭は冷静で、2時間もせずに役目を終える本をどう処理すれば無駄にせずに済むのかを考えていました。私はその足でレポートの課題と親和性の高い学部の図書館に直行し、タイトルのみで判断して追加の参考書籍を2冊ピックアップし、自習スペースへと向かいました。
残り時間は1時間30分となり、いよいよ切羽詰まった状況です。私は残り時間のうち30分を文献読み込み、5分を構成、50分を執筆にあてることにしました。
30分で課題の本と参考文献2冊の計3冊を全て読み込むことは不可能です。
そこで私は目次から判断して3冊を部分的に読み、複数の箇所からキーワードと引用する文章だけをピックアップすることに決めました。ピックアップした内容に対して自分の意見を絡めるためには、原体験が乗せることが最も簡単です。ピックアップする段階から既にどのような原体験が絡められるのかを考え、それを元に5分で構成を考えました。
そこからは一度も止まることなくひたすらに文字を打ち続けてレポートを完成させ、一度印刷してから誤字脱字等を確認して修正し、もう一度印刷してホチキスで止め、教務課に提出することができました。ほぼ締め切りちょうどのタイミングでしたがなんとか提出し、結果的に最高評価である優上の評定をもらうことが出来ました。
ある程度レポートを書くこと自体には慣れてはいたものの、成功体験として少し強い印象が残ってしまい、私のその後のレポート作成が常に当日昼スタートになってしまったことは言うまでもありません。
大まかな流れ
上の流れを簡単にまとめて流れだけを抽出するとこのようになります
- レポートの形式・条件を確認する
- 参考文献を用意する
- 参考文献を構成を意識しながら読み込む
- 構成を考える
- 一気に執筆する
- 見直しと修正
詳しい解説
それでは、それぞれのステップで具体的にどのようなことをすれば良いのかということについて、個別で詳しく解説していきます。
①レポートの形式・条件を確認する
まず何よりも先にすべきことは、レポートがどのような形式なのか、そしてレポートの課題内容は何なのかを確認することです。
手書きであることは大学生であればほとんどないとは思いますが、提出が手渡しの場合も未だにいくらか残っているのではないでしょうか。
LaTeXで作成されたもののみを認める、という特殊なケースもあるかもしれません。
そしてレポートの形式の中で最も大事な部分は文字数や枚数の指定です。
何文字書けば最低でも単位は出るのか、という部分は、完成までの時間を左右する最も大きな要素です。
また、課題の条件を確認することも、執筆全体の進め方を規定することに繋がるため、重要です。
課題図書・論文は指定されているのか、画像の枚数指定はあるのか、追加で提出すべきデータファイルはあるのか、フィールドワークや取材は必要か、など各種条件を予め確認することでレポート執筆の進め方を決めることができます。
②参考文献を用意する
課題図書が指定されている場合はもちろん、されていない場合であっても執筆に際してあなた自身の独自の意見のみで通すわけにはいきません。
自分の意見の根拠や補強・比較を行うためには必ず参考文献を用意する必要があります。
最も手軽に手に入る参考文献はインターネット上の文章ですが、情報の信頼性に難がある場合があります。
インターネット上の文章を参考として使いたい場合は、公的機関が発表したPDFファイルや信頼できる調査機関の発表した一次情報のみを使うようにしましょう。
学術論文は大学の契約しているジャーナルであれば無料で閲覧できるため、DeepL等の翻訳ソフトも利用しつつ取り入れてみるとレポートの信頼性が上がります。
書籍が最も参考文献としてはメジャーかと思いますが、図書館や本屋で実際の本を手に入れたり、Kindleや楽天Kobo等で電子書籍を手に入れることができます。
本来であれば参考文献は必要な情報を調べる過程で手に入れるものですが、今回の爆速レポート作成術ではそのようなことをしている余裕はありません。
まず先にタイトルからアタリをつけて参考文献を複数用意し、どこをどのように使うのかは後回しです。
何冊参考文献を用意するか、という点ですが、ここも本来とは異なり、文献読み込みに使える時間から逆算して考えます。
書籍の参考文献の場合、どんなに急いでも文献1冊から情報をピックアップするためには10分程度はかかってしまいます。
さらに、ただ情報をピックアップするだけではなく他の参考文献や自らの原体験とどう絡めていくかを考えながら参考文献を読むことになるため、あまり多くの文献を読むことはできません。
今回は30分の文献読み込みに対して3冊の参考文献を用意しましたが、1冊10分を目安として、文献読み込みに使える時間から逆算して冊数を決めると良いと思います。
③参考文献を構成を意識しながら読み込む
このステップは、レポートを書くために必要な情報を収集するステップですが、ここを適切に、素早く行うことができるかどうかがレポート完成のスピードはもちろん、完成したレポートのクオリティをも大きく左右します。
具体的には、以下の順番で取り組みます。
- メインとして利用する参考文献を決める
- メインの参考文献の目次を確認し、自分の原体験と絡めて意見を書きやすそうな部分を探す
- 著者の主張となる部分と、それを補強する客観的事実をピックアップする
- 他の参考文献でも同様に内容をピックアップする
③でピックアップするために文献を読む時、細かく読み込みすぎないことが大切です。
コツとしては、参考文献全体としての論理の展開を追うのではなく、参考とする文章の書かれた章・節内での文章展開を軽く押さえるのみに留めつつ、最も印象的で主張の強い文章を探すことです。
決して1つ1つの文章を精読することはせず、斜め読みを積極的に取り入れると良いです。
④構成を考える
前のステップでレポートの構成やどのように自分の原体験と絡めるか、という部分はおぼろげながら出来ていると思います。
しかし、ここでよりハッキリと構成を作っておくことで、次のステップでの執筆を一気に終えることが可能になります。
レポートの一般的な構成としては序論、本論、結論と分かれており、それぞれの比率の目安を1:8:1とすると、4000文字のレポートであれば400文字:3200文字:400文字です。
ちなみに皆さんご存知Twitterの投稿文字数制限は140文字ですが、400文字はその約3倍、3200文字は約23倍です。
140文字は1つの内容についての文章を展開する目安となる文字数ですが、その塊を3:23:3の割合で配置すれば良い、というイメージですね。
序論では分野の背景説明・参考文献の要約・自分がどの点について論じるのかという3つについて書きます。
本論ではメインとなる参考文献からの引用等を利用した部分・そこに対する解釈を述べる部分・自分の原体験をベースに意見を述べる部分・サブの参考文献からの引用を元に意見を補強する部分をバランスよく配置します。
また、レポート全体としての終着点を意識しつつ、論理の展開を考えながらそれぞれの文章の配置を考えます。
結論では、序論全体の要約・本論全体の要約・得られた示唆や意見のまとめと今後の展望の3つに分けて書きます。
こういったざっくりとした構成を記号や略語などを駆使しながらメモ書き程度のものを5分程度で簡単に考え、次の執筆のステップへと繋げます。
⑤一気に執筆する
参考文献をどのように利用するのかという点とレポート全体の構成が決まったら、あとはひたすらに執筆するのみです。
この時、脇目も振らず一気に執筆してしまうことが大切です。
④で考えた構成に即して一息で書き上げ、途中気になることが仮にあったとしても、一度完成するまでは立ち止まってはいけません。
私の場合は50分で4000文字、つまり1分間に80文字ペースで文章を作成しました。
これは決して圧倒的なタイピングスピード等が必要なわけではなく、迷わず止まらず書き上げることで実現できるスピードです。
ノンストップで執筆できるよう、是非④までの段階でしっかりと準備をするよう心がけてください。
⑥見直しと修正
⑤で一気に書き上げたため、言葉遣いに違和感があったり誤字脱字があったりする場合がほとんどです。
これをパソコンの画面上で一つずつ修正していると、視野が狭くなり一度に確認できる情報の数が減る、執筆時と景色が変わらないためミスを発見しづらくなる、修正の書き込みは手書きの方が早い、などの欠点があるので、私の場合は必ず一度印刷してしまい、色ペンで修正を書き込みます。
この段階で大きな構成の変更や追加の執筆を考えることはせず、あくまで自然な文章になっているかどうかだけを意識して見直します。
この段階でも修正点が見つかる度にパソコン上で文章を打ち直すのではなく、まずは一度全ての修正ポイントを紙に書き込んでから一気にパソコン上で修正する、というやり方が最速となります。
まとめ
今回は、私自身が実際に1.5時間で参考文献読み込み〜4000文字のレポート執筆を完了させた方法をお伝えしました。
どのステップにおいても、完璧を追求するのではなく、レポート提出という最終的な目標を達成するために必要な最低限の行動に留めることが大切です。
常に目標までの最短ルートを意識して、普段だったら絶対にやること・やらないことは一旦無視して本当に必要なことだけを行うのです。
脳味噌をフルに回転させてレポートを作るので、完成して提出した瞬間には大きな達成感と喜びを感じることができます。
ちなみに私はさらに評定も最上位のものをもらうことが出来たので、「ギリギリでもなんとかなる」という精神が出来上がってしまい、早め早めに物事に対応するクセがなくなってしまいました。
皆さんはこのようなことにならないようにだけご注意ください。